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精神科での武道実践

  • 執筆者の写真: Taro Okamoto
    Taro Okamoto
  • 2月26日
  • 読了時間: 3分


このenのブログも、長いこと書かずに放置してしまっていました。



SNSでの発信がメインになっていましたが、こちらでも僕が心理療法の実践において大切にしていることやアプローチ、また日々の雑記なども含めて、あらためて更新していきたいと思います。



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もう4~5年はたつだろうか、勤務する精神科デイケアで空手をベースにしたプログラムを毎週行っている。

下は10代~上は70代まで、多様な世代の方々が通所している。

デイケアとは、日常生活のリズムを調えるため、就労のステップとして、人間関係の刺激に慣れたり練習する場、他者や社会とのつながりとしてのコミュニティなど、さまざまな利用目的や機能があるが、基本的には心の内面を見つめて触れていくようなセラピーの場ではない。



ここで武道をやろうと思ったのは、自分のエネルギーをうまく表現しづらかったり、する場がない人たちが思い切り表現できる体験として、あるいは体力づくりや活性化を目的として、というところだった。

今では週で最も参加者が多く、そして盛り上がるプログラムになっている。

皆さん集中して自分の身体を感じ、ていねいに動きを身に着けようとされている。

僕の持つミットに対して、表現の仕方は人それぞれだが、真剣なまなざしでエネルギーをぶつけてくれる。楽しさや気持ちよさ、じゃれあい、ボクサーさながらの気迫、いつも柔和な方が放つアグレッシブな打撃、僕を倒さんばかりの殺気など、さまざまな質のコンタクトを感じる。

齢80歳に近い方でも、知らない人が受けたら驚くようなパンチをどんどん放ってくる。むしろ進化している。



この時間がいつも嬉しい。言葉ではない、コミュニケーションを交わしあっている感触があるからだ。

もちろんここでは心理療法としてではなく、武道体験やボクササイズ的な運動プログラムとして行っている。

でも、ある方は「運動することが病気の治療になることが体感として分かった」「ミットをしていて、私もこんなふうに人に表現できる、していいんだと思えた」と言ってくれた。

また、プログラム後の参加者のすっきりとして穏やかな表情をみていても、何か単純な運動以上の体験を共有している手ごたえを感じている。

ここでの実践の積み重ねが、武道とゲシュタルト療法の統合として実践している「円坐の道場」の原型になっている。



武道的な関係性は、安全な構造の中で身体的コンタクトを深める。それゆえに安心感のあるつながり(副交感神経、より専門的には腹側迷走神経複合体)と、リスクを取って能動的に行動あるいは自己表現すること(交感神経)のバランスを体得していくことができる。生き物同士の”あそび”でもあり、創造的な対話でもある。

そして、この身体的営みにゲシュタルト療法の視点・アプローチを取り入れることで、身体的経験や関係性の中で自分に身体の内に起きてくる現象—感覚や感情の“意味”に気づくことができる。





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